データセンターの基本的な内容をここでは取りまとめておきます。
全体像(YouTubeにて)
まずは、見てみるのが早いので、YouTubeからのData Center動画を2本下記に掲載します。まずこのビデオを見てから、次の章に進むとわかりやすいです。
さくらインターネット 石狩データセンター紹介VTR
サンプルとしてアマゾンAWSのデータセンターの説明です。
Inside Google’s Billion Data Centers (2021/03/18uploaded)
市場のKey Players
ハイパースケールデータセンター市場の主要なキープレーヤーには、Dell Inc.(米国)、Hewlett Packard Enterprise Development LP(米国)、IBM Corporation(米国)、Huawei Technologies Co. Ltd.(中国)、Ericsson(スウェーデン)、Cisco Systems、Inc.(米国)、NVIDIA Corporation(米国) 、Lenovo Group Ltd.(中国)、Cavium(米国)、Quanta Computer Inc.(台湾)、Broadcom Ltd.(米国)、Intel Corporation(米国)などがあります。この調査には、ハイパースケールデータセンター市場におけるこれらの主要企業の詳細な競合分析、企業プロファイル、最近の動向、および主要な市場戦略が含まれています。
データーセンターの2つの利用形態
データセンター、クラウドの説明
データセンターとクラウドは似た意味で使われることが多いですが、それぞれ明確に異なるものです。データセンターは物理的なスペースや施設を指す言葉であるのに対して、クラウドはサービスの概念を指す言葉です。データセンター内に存在するサーバーを利用して、インターネット経由で仮想的にサービスを提供する形態をクラウドと呼びます。つまり、データセンターとクラウドは意味している階層(レイヤー)が異なります。
データセンターへのサーバー設置とクラウドサービス利用の違いは、柔軟性とカスタマイズ性にあります。クラウドサービスは柔軟性に優れており、自社の現状に合わせて自由にスケールすることができます。一方、データセンターは利用者自身がサーバーやインターネット回線を準備するため、自社のシステム要件に適したカスタマイズを行うことが可能になります。
データセンターの利用形態
ハウジング方式
ハウジング方式は、データセンター内の物理スペースやラックを借りて運用する方式です。自社の状況に合わせて、物理スペースやラックのサイズ・契約数を選びます。
ハウジング方式のメリットとして、ユーザー自身が要件に合わせたサーバーやインターネット回線を選択できる点が挙げられます。言い換えると、最低限の設備を自社で揃える必要があるため、初期投資が発生したり、導入までのリードタイムが長くなるというデメリットがあります。サーバーの運用管理についても自社で実施する必要があります。
ホスティング方式
ホスティング方式は、利用するサーバーやインターネット回線も含めて、事業者から借用し運用する方式です。ハウジング方式とは異なり、各種機器はデータセンター提供者が所有しているため、ハードウェアの管理・保守は提供側が対応します。
ホスティング方式のメリットとして、自社で設備を購入する必要がないため、初期費用の投資が不要、かつ、導入までのリードタイムが早いという点が挙げられます。ただし、機器にトラブルが発生した場合に自社で修復作業を行うことはできません。提供側の作業を待つしかないため、復旧予測を立てにくいといったデメリットがあります。
データセンターの重要機能
データセンターといった場合に、上記AWSのようなクラウドサービスを提供するデータセンターと自社の独自のサーバー機器を据え付けるハウジングと対比して話す場合があります。この資料全体では、全てを含んだデータセンター市場として話をすすめておりますが、2つに分類した場合についてまず説明しておきます。
データセンタの提供する機能をまとめると
場所の提供
サーバーなどのIT機器の設置場所を提供します。IT機器の設置場所だけでなく、IT機器を組み立てたり修理したりするための場所、ラックや、休憩スペースなどの提供もデータセンターのサービスの1つです。
電源の提供
IT機器を運用するためには電源が必要です。データセンターでは常時、電力の提供を行います。また停電などの影響で電力の提供が止まってしまわないように、一般的に自家発電やUPS(無停電電源)といった設備が用意されています。
インターネット接続
インターネットへ接続するための通信回線を提供します。データセンターでは、一定の帯域(通信速度)が保障された、高品質な通信回線が提供されることが多いです。通信事業者の光ファイバーなどの通信回線を大量に利用可能とするため、通常のオフィスビルと比べて非常に多くの通信回線が引き込み済となっています。また通常、複数の通信事業者の通信回線が利用可能になっています。
空調管理
IT機器は大量の熱を発生させるため、安定して機能させたるためには設置場所の温度・湿度の管理が重要です。データセンターでは、IT機器が正常に機能し続けられるように十分な空調設備を用意し、温度・湿度対策を厳重に行っています。HVAC(Heating, Ventilation and Air Conditioning)の設計は建築設計でも重要な要素となる。
HVAC
災害対策
データセンターでは、火災や地震などの災害によってIT機器が停止してしまわないようにする対策もとられています。災害に見舞われにくい立地が選ばれることに加え、火災の検知システム・消火システムを用意し、建物自体は耐震・免震などの構造を備えていることが一般的です。構内で火災が発生した場合にも中に設置されている機器を極力痛めないよう、通常のスプリンクラーではなく二酸化炭素やフロンガスによる消火設備を持っています。
その他
サーバールームなどに対する入退室管理が行われるほか、センターに常駐するスタッフによるサーバーの起動や停止などのサービスも提供される場合があります。専門の管理者が24時間365日体制で品質の高い運用を効率的に行っている
NTTコミュニケーションズ 大阪第7データセンター紹介YouTube
冒頭のGoogleビデオとすこしダブってしまいますが、前章で述べたクーリングシステムやセキュアリティなどをNTTコムのYouTubeがまとめて説明してくれているので、目で見て実際がどんな感じになっているかがよくわかります。
データセンターの利用はクラウド型へ
自社オフィスにサーバーを置く場合と比較すると
人が執務を行なうオフィスフロアにサーバなどのコンピュータを設置する場合においては、夜間や休日など室内に人がいない時でも、室内のサーバの冷却のため、空調機を稼動させる必要があります。このため、人がいないにもかかわらず空調機の運転を行なうそもそもの無駄が生じるほか、サーバのみを冷却するために空調機を低稼働率で運転することになり、ここでも電力の無駄が生じています。 (空調機は一般的に低稼働率の場合には電力効率が悪くなります、つまり自動車で言えば燃費の悪い状態に相当します)
また、オフィスでは、室内全体を冷やすため、空調機から熱源(サーバ)に対して冷気を送るための送風経路が長くなります。このため、空調機の送風ファンの電力を必要以上に消費しているほか、窓からの日射など建物外から侵入する熱により冷気が暖まってしまう、あるいは冷気がサーバに届く前にサーバの排気熱と混ざってしまい効率が悪くなるなどの問題があります。
サーバを収容する専用の建物であるデータセンターは、こうした問題を解決して設計されており、最も少ないエネルギーでサーバなどのコンピュータ機器を設置することが可能となる。
セキュアリティの観点からみると
- 情報セキュリティーの観点。データセンターというコンピュータを設置するための専用施設で集約運用を行なうことで、強固なセキュリティを確保することができ、内部統制や情報漏洩に対する施策の強化を行なうことが可能となります。また、地震などの災害対策の観点においても、強固な建物構造と地盤状況の良い立地などにより、BCP対策の観点からも有効です。
- 企業の経営強化の観点。サーバなどの機器まで含めITサービスとしてデータセンターにアウトソーすれば、アセットレス経営(オフバランス化)が可能となるほか、IT部門はサーバそのものの運用管理・トラブル対応などの課題から開放され、自社のコア領域のビジネスプロセス改革・新領域でのIT活用企画など本来の業務に専念でき、経営の強化を図ることが可能となります。
- 環境エネルギー対策の観点。サーバなどのIT機器が排出するCO2排出量削減が可能(CO2排出量の付け回しが可能)となるばかりでなく、機器更新のライフサイクルで発生する廃棄物の削減につながります。
時代は、自社管理からDCクラウドサービス利用に
クラウド時代の到来にむけ、競争力を確保するには国内データセンターの積極活用が必要となっている。
クラウドを導入するメリット
初期費用を抑えることができる
クラウドは自社でのサーバー購入やサーバー設置スペースが不要なため、初期費用を抑えることができます。そのため、少額投資でスタートできる点は、クラウド導入の大きなメリットだと言えます。
運用負荷を軽減することができる
自社でサーバーを運用する場合、メンテナンスや保守を行なうための技術員が必要になります。システムに問題が発生したときは、早急に改善しなければならないため、大きな運用負荷がかかってしまいます。
クラウド利用における保守や有事対応は、すべてクラウドベンダーが巻き取ってくれるため、システムの運用負荷を軽減することができ、結果として人件費の削減にも繋がります。注意点として、クラウドベンダーの責任範囲ではない箇所は、運営者側で対応する必要があるため、責任分界点をチェックしておくことが大切です。
導入後すぐに始めることができる
データセンターに置くためのサーバーや接続用のインターネット回線を自社で準備する場合、長い時間を要してしまいます。クラウドであれば、既に完成されているサービスを利用するため、導入後すぐに始めることができます。ビジネスの世界はスピードが命なので、迅速に社内のシステム環境を整えられる点は大きなメリットです。
場所を問わずに働くことができる
データセンターを利用していても、ラックに自社サーバーを置いている場合は、サーバーの運用管理は自社の対応事項になります。そのため、定期的にデータセンターへ足を運び、異常チェックなどを実施する必要があります。
クラウドを導入することで、サーバーの保守・管理も含めたすべての作業をクラウドベンダーに委託できるため、場所を問わずに業務ができる『新しい働き方』が実現可能になります。
データーセンター基本構造(レイヤーの観点から)
まず、サーバなどの機器を設置するためには「土地」が必要です。もちろん、サーバを地面に丸裸でおくわけにはいきません。地震や津波などの自然災害や、盗難などの脅威に備えた専用の「建物」が必要になります。建物の中には、インターネット回線を引き込み、電力を供給し、サーバを格納するためのラックを設置する必要があります。これが「ファシリティ、コネクティビティ」のレイヤーです。
ラックには、サーバやネットワーク機器などの「サーバハードウェア」が設置され、その上にLinuxやTomcat、sendmailなどのような「OS、サーバソフトウェア」がインストールされます。さらには、データベースや監視ツールのような「ミドルウェア」が導入され、一番上で「アプリケーション」が稼動するわけです。
ファシリティとコネクティビティを提供するのがデータセンター
一般的には、「ファシリティ、コネクティビティ」までのレイヤーを整備した施設のことをインターネットデータセンター(iDC)と呼びます。皆さんが、「データセンター」と聞いてパッと想像される大きな建造物ですね。整備したスペースと回線を貸し出すサービスのことをハウジング(コロケーション)と呼びます。「iDC事業者は、ファシリティやコネクティビティを整備したiDCを、ハウジングサービスとして提供する」というのが基本線です。
ちなみに、「サーバハードウェア」や「OS、サーバソフトウェア」の導入、運用まで引き受けるサービスのことをホスティングと呼びます。一般ユーザにもよく知られているレンタルサーバサービスはホスティングの一類型になります。ホスティング事業を営む人は、レンタルサーバ事業者と呼ばれることが多いようです。
さらに上のレイヤー、つまり「ミドルウェア」の導入や「アプリケーション」の開発になると、サービス提供の主体はSIerになります。また、「ファシリティー、コネクティビティ」から上の各レイヤーで、ユーザに代わって運用や監視、セキュリティなどを引き受けるマネージド・サービス・プロバイダー(MSP)という業者も存在します。
データセンターという大きな建物には色々な使い方がある
「建物」レイヤーより上のサービスは、全て「データセンター」という建物の中で行なわれますし、レイヤー間の親和性も高いので、事業者の住み分けがキッチリしているわけではありません。
例えば、データセンター事業者は自分達の持つ施設の一部にサーバを導入し、OSなどの環境を構築すれば、ホスティング事業を始めることもできます。実際に、データセンター事業(ハウジング)とレンタルサーバ事業(ホスティング)を両方とも行っている。最近はどこもサービスの幅をどんどん強化をしてきている状況です。
データセンターは建物だけを借りるのか、ラックも借りるのか、サーバも借りるのか、OSやサーバソフトウェアも借りるのか、果ては運用保守までやってもらうのか、どこまでをデータセンターに関わる事業者に任せるか、選択の幅はかなりあります。
データセンターの主なコンポーネント
データセンターのハードウェアとソフトウェアをサポートするため、データセンター コンポーネントには大規模なインフラストラクチャが必要です。具体例を挙げると、電源サブシステム、無停電電源装置(UPS)、換気、冷却システム、消火設備、予備発電装置、外部ネットワークへの接続などがあります。
データセンターの設計には、ルータ、スイッチ、ファイアウォール、ストレージシステム、サーバ、アプリケーション デリバリ コントローラが含まれます。ビジネスクリティカルなデータとアプリケーションはこれらのコンポーネントによって保存、管理されるため、データセンター設計ではデータセンターセキュリティが非常に重要です。データセンターは以下のリソースも提供します。
ネットワーク インフラストラクチャ。サーバ(物理サーバ、仮想サーバとも)、データセンターサービス、ストレージを接続し、エンドユーザの拠点への外部接続をつなぎます。
ストレージ インフラストラクチャ。データは現代のデータセンターの原動力です。ストレージシステムは、データという貴重な情報を保持するために使用されます。
コンピューティングリソース。 アプリケーションはデータセンターのエンジンです。データセンターのサーバは、アプリケーションの実行に必要な処理、メモリ、ローカルストレージ、ネットワーク接続をサポートします。
データセンター インフラストラクチャの規格
データセンター設計とデータセンター インフラストラクチャに関して最も一般的な規格は ANSI/TIA-942 です。付帯する ANSI/TIA-942 対応認定では、4 つあるデータセンター階層のカテゴリごとに定められた冗長性と耐障害性への準拠を保証します。
Tier 1:基本的なサイトインフラストラクチャ。Tier 1 データセンターは物理的なイベントに対して限定的に保護されています。単一キャパシティコンポーネントと 1 つの非冗長ディストリビューションパスを備えています。
Tier 2:冗長キャパシティ コンポーネント サイト インフラストラクチャ。Tier 2 データセンターでは物理的なイベントに対する保護が強化されています。冗長キャパシティ コンポーネントと 1 つの非冗長ディストリビューションパスを備えています。
Tier 3:同時保守が可能なサイトインフラストラクチャ。Tier 3 データセンターは、事実上すべての物理的イベントから保護され、冗長キャパシティコンポーネントと複数の独立したディストリビューションパスを備えています。エンドユーザサービスを中断することなく、各コンポーネントの取り外しや交換を行えます。
Tier 4: フォールト トレラント サイト インフラストラクチャ。Tier 4 データセンターは最高レベルの耐障害性と冗長性を備えています。冗長キャパシティコンポーネントと複数の独立したディストリビューションパスにより、同時メンテナンスが可能となり、設備内のどこかで障害が生じてもダウンタイムが発生しません。
データセンターの種類
エンタープライズ データセンター
企業が構築、所有、運用する、エンドユーザのために最適化されたデータセンターです。多くの場合、企業のキャンパス内に設置されています。
マネージド サービス データセンター
企業に代わってサードパーティ(またはマネージド サービス プロバイダー)が管理するデータセンターです。企業は機器とインフラストラクチャを購入するのではなく、リースします。
コロケーション データセンター
コロケーション(「コロ」) データセンターで企業は、社外に設置された他企業のデータセンター内のスペースを賃借します。コロケーション データセンターがインフラストラクチャ(ビル、冷却、帯域幅、セキュリティなど)をホストし、一方企業がサーバ、ストレージ、ファイアウォールなどのコンポーネントを提供、管理します。
クラウドデータセンター
このオフプレミス形式のデータセンターでは、Amazon Web Services(AWS)、Microsoft(Azure)、IBM Cloud などのクラウド サービス プロバイダー、またはその他のパブリック クラウド プロバイダーを利用してデータとアプリケーションをホストします。
データセンターの物理的構造と設備
災害に耐える建築構造
日本で考えられる大きな災害といえば地震です。どのデータセンターでも被害が最小限にとどめられるように建築構造を施しています。冒頭で紹介したさくらサーバーのデーターセンタの説明でも北海道では地震などの災害が少ないことが選定条件の一つとなっています。
もっとも安全性の高い免震構造
建物と地盤の間に地積ゴムなどの装置を介入することにより、建物自体の揺れを軽減させる構造です。建物自体の揺れを軽減させるといわれており、建物内の被害が最小限におさえられます。
地積ゴムだけでなく、大きな減衰力を発揮するオイルダンパーや、地震の加速を抑える直動転がり支承を組み合わせているデータセンターは更に安全性が高いといえます。
耐震構造
太く頑丈な柱や梁で建築されており、建物自体が衝撃に耐えられるように作られている構造です。建物自体が地震のエネルギーを吸収するため、建物が損壊するまでには至らなくても建物内の被害は地震の規模と比例していきます。サーバ室やラックのみに免震機能を設置するなど工夫をしているデータセンターもあります。
非常時の電力供給設備
データセンターでは災害時にも電力がストップすることなく、安定して供給される機能を備えています。
UPS(無停電電源)
電力会社からの電力供給がストップしたことをデータセンターの受電装置が検知し、UPSが電力供給を開始する設備です。電力供給時間は製品により異なりますが、通常は数分から数十分かかります。この間に自家発電設備が稼働し、電力供給の準備を行うという仕組みです。
自家発電設備での電力供給時間
電力供給時間は、自家発電設備の燃料タンクの容量に依存します。燃料タンクが大きいデータセンターで無給油運転での連続運転は約72時間可能です。それ以降は燃料の補給がされなければ継続して電力供給をすることができません。
つまり発電設備の機能は、燃料タンクの大きさ、燃料配送の優先契約、災害時に燃料を運ぶための交通ルートが遮断されないエリアであることが、長い電力供給を可能にする条件といえます。また万が一の故障に備え、自家発電機は一台以上であることが理想です。
ラックのスペックとコストパフォーマンス
サーバを格納するラックの容量、最大搭載重量、電力供給量を大きくすることで、コスト削減が実現します。比較的新しいデータセンターでは、ラックのスペックを上げることで、従来は3ラックに分散していたサーバを2ラックに集約し、コストパフォーマンスを上げることに成功しています。
防火設備
防火設備もサーバに配慮された設備になっています。火災報知器の数十倍の感度で火災を検知する火災予兆システムという機能も出ています。また、消火設備には、サーバおよび人体に影響がなく、地球環境にも配慮された窒素ガスを使用した消火機器が安全です。
空調設備
水冷式空調が、高効率で高い冷房能力を発揮します。外気冷房システムは省エネ効果があり、また災害時に備えて無停止空調システムが導入されているデータセンターもあります。現在ではPUEと呼ばれる電気効率をよくするために、さまざまな空調方式も出てきています。
セキュリティ
有人受付、セキュリティゲート、監視カメラ、24時間有人の警備体制に加え、生体認証(静脈認証)装置が導入されています。
指静脈認証がもっとも導入事例の生体認証装置です。指の内部にある静脈パターンを読み込んで、個人を特定します。静脈パターンはたとえ双子であっても違うため、高いセキュリティ効果が見込まれます。
入口からサーバ室までには何重ものセキュリティチェックが行われ、入館者それぞれにセキュリティレベルの設定がされています。サーバ室の入口は、入室記録がないと退室することができないアンチパスログ方式や、一つ目の扉を閉めないと次の部屋に進めないインターロック方式なども組み込まれ、サーバの安全を守ります。
ネットワークの冗長性
ネットワークの冗長性とは、スイッチやルーターを複数を設置し、災害時に少しでも多くの回線ルートを準備しておくことで、一つのルートが遮断された場合も他のネットワークを確保している機能です。
センター内の回線を複数回線にしておくことに加え、データセンターへのアクセス回線のケーブルを複数回線に分けて引き込むことで、災害時に一つのルートが遮断されてしまっても他のルートで回線を通してネットワークに接続することができます。
また通信ビルに直結しネットワークを直接引き込んでいるデータセンターや、通信会社が運営するデータセンターは災害時のネットワーク切断のリスクを最小限におさえることができます。
北極圏スウェーデン・ルレオにあるフェイスブックの巨大なデータセンター
スウェーデン・ルレオにあるフェイスブックの巨大なデータセンター:北極圏との境界にある人口約4万5,000人の小都市。通常のテキサス州にあるフェイスブックのデータセンターは、冷却に電力の大部分を消費している。だが、ルレオでは冷却にかかる電気はほとんどゼロとなる。設備が常にエアコンの稼動下にあるようなものだからだ。冬は平均マイナス20度、夏でも20度以下のこの場所では、普通の空気で十分にサーバー群を冷却することができる。冬には、サーバーによって暖められた空気がオフィスの空調として使われる。電力は、100%水力発電なので100%CO2ゼロエミッションとなる。
マイクロソフトの水中データーセンター
同様の試みはマイクロソフトでもやってるとのことです。データーセンターの莫大な電力消費は環境の観点から今後様々なチャレンジがされていくと思われる。
その他関連事業IX
NOTE: IX事業者(Internet Exchange)
通常、他の事業者と接続するには相手ごとに通信回線を用意しなければならないが、接続先の数に比例して機材や回線にかかる費用が増大していくという問題がある。この負担を軽減するため、一か所の通信施設に各事業者が自社の回線を接続し、同じように参加している他の事業者すべてと同時に相互接続するという手法が考案された。このような施設のことをインターネットエクスチェンジという。
インターネット全体では数百ヶ所の大規模IXがあると言われており、日本国内では東京や大阪など大都市を中心に十ヶ所前後の主要なIXが運用されている。一般的な構成の施設では各社のネットワークはレイヤ2スイッチ(LANスイッチ)を介して接続され、BGPにより経路情報の交換が行われる。
(代表例) 代表的なIX事業者:日本インターネットエクスチェンジ株式会社、BBIX株式会社、インターネットマルチフィード株式会社など多数
Thanks a lot !