Gmailを考案して開発を主導したポール・ブックハイト氏が「対話型AIのChatGPTは1~2年でGoogleを破壊する可能性がある」という見解を述べました。ブックハイト氏は、ChatGPTがGoogleの最も収益性の高い製品である検索エンジンを排除すると考えています。
Google may be only a year or two away from total disruption. AI will eliminate the Search Engine Result Page, which is where they make most of their money. Even if they catch up on AI, they can’t fully deploy it without destroying the most valuable part of their business! by Paul Bucheit
「ChatGPT」台頭のインパクト
公開からわずか5日間でユーザー数が100万人を突破ーー。2022年11月にAI(人工知能)ベンチャーであるOpenAI(以下、オープンAI)が公開した自動会話ができる「ChatGPT」はその精度の高さから注目を集め、爆発的な広がりを見せている。
すでにオープンAIに投資を行いパートナーシップを結ぶマイクロソフトは1月23日、今後複数年にわたり数十億円ドルの投資を行うと発表した。ChatGPTの出現で、グーグルの経営陣は社内に「厳戒警報」を出したといわれており、ビックテックのAI競争も活発になりつつある。
足元の変化をどう見るべきなのか。AI研究の第一人者で日本ディープラーニング協会の理事長も務める東京大学大学院の松尾豊教授に聞くと、この大きな変化に「日本はピンときていない」と警鐘を鳴らした。
今までの対話エンジンは、返答がつまらないし、こちらが言っていることをわかってもらえない。定型的なこと以外も言いますが、結局意味が全然通じないので、あっという間に飽きる。それと比べるとChatGPTのレベルはものすごく高い。
ChatGPTが宣告 「プログラマーはコーディングさえできればよい」時代の終わり
「開発者は、もはや定型的なソースコードを書く必要がなくなる」――。AI技術の調査機関であるMontreal AI Ethics Instituteの創設者兼プリンシパルリサーチャー、アビシェーク・グプタ氏はこう言い切る。開発者は、アプリケーションのアーキテクチャ構築やセキュリティといった「より複雑な分野に注力できるようになる」とグプタ氏はみる。
ChatGPTは、ありとあらゆる人間しかできないと思われていた分野に進出を始めた。