2 Horizon Worlds

最新のニュースからお伝えします。2022年10月に新しい進化したハードウェア(VRヘッドセット)が発表されました。

2022年10月ハイエンドVRデバイス「Meta Quest Pro」発表

Meta Quest Pro YouTubeより

Meta Quest Proは、Metaの新しいハイエンドなデバイスラインの最初の製品で、優れた複合現実体験を実現する高解像度センサー、シャープな視覚表現を提供する鮮明なLCDディスプレイ、全く新しい洗練されたデザイン、VRでより自然に自分をアバターに反映することができる「アイトラッキング」と「自然な表情機能」といった革新的な機能が盛り込まれています。

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最初のフェースブック発表(The Metaverse – Connect 2021)

Connect21でザッカーバーグのプレゼンテーションビデオは、メタバースの未来を説明しておりますが、ちょっと長いビデオなので、適当に早送りでざっとみていただきたく。メタバースの膨大な世界の入り口になるところがHorizon Worldsのアプリです。まだ、初期バージョンで、オモチャのようなレベルですが、まず最初に「Horizon Work rooms」アプリがリリースされており、これは現在のMicrosoft teamsにあたります。

ザッカーバーグの1時間20分のプレゼン動画の内容の要点を、このチャプターでは簡略化してまとめます。これを見れば現在のMetaの計画の概要がわかります。ただ、今年はMetaにとっても、初年度にあたるので、将来大きく内容が変わることが予想されます。

2021年の発表以来、Metaのサービスは非常に頻繁にアップデートされているので、最新の情報は、

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メタバースアプリ「Horizon Worlds」

フェースブック(現在社名はMeta)が米国時間12月9日から一般提供を開始したメタバース専用のアプリ。米国とカナダの18歳以上の人を対象に無料で公開されている。この中には次にのべるような様々なアプリやプラットフォームが今後構築されて、強大なバーチャル空間が出来上がってきます。

Major Areas of Metaverse

ザッカーバーグの説明の中で、次の大きなジャンルが当面のターゲットとなっているものは…..。

拡大分野
  • Social: Facebookに代表される分野
  • Education :ゴーグル3Dで、教育に新次元の分野が誕生
  • Entertainment :2Dの時代からのさらなる拡大
  • Gaming : ゲームが職業として認められる時代になってきた
  • Fitness : E sportsで既に拡大期に入りつつある
  • Work : やはりリモートワークの延長上から仕事への応用は重要な課題
  • Commerce : ネットショップがさらなる発展を

VRの世界は、現在までは、若者を中心としたゲーム、エンタメのものでした。従って、一般の企業(Business Person)には、あまり縁のないものでしたが、メタバースはゲームよりもはるかに大きな存在です。エンターテイメントに適した空間であることはもちろんですが、仕事、交流、教育、フィットネスなど、さまざまな目的で利用されます。メタバースの構築とは、今日のスマートフォンやノートパソコンがたどってきた足取りと同じように、仮想現実(VR)を一般的なコンピューティング・プラットフォームに組み込むことを意味しています。

現在は市場が大きく変わる初期段階にあるということです。約10年前に、ソニーは事業転換(現在の言葉でいうとDX)を行い、エレクトロニクスの製品からエンタメを中心とするゲームソフトウェアを中心とする会社に変わって成功を収めていますが、企業のDXには相当な年月を必要とするので、時代の流れを早くキャッチして将来の対策を考えることが大切です。

ここのチャプタータブでは、Metaの取組状況をとりまとめます。(マイクロソフトのMeshについては、別のチャプタータブにまとめています)

入り口である、Horizon Homeからテレポートしながら、メニューを開いて、別の空間に入り、リアルの世界と同じように、仕事、友人、娯楽、スポーツ、旅行などの世界を体験することができる。

別のところで述べたように、これらの空間は限りがなく、現在2Dでも限りない創造が行われているように、3Dで無限にいろいろな世界がクリエイトされていくことになる。

プレゼン動画で強調されているキーワード:

Key Words
  • Presence
  • Avatars
  • Home Space
  • Teleporting
  • Interoperability
  • Privacy and Safety
  • Virtual goods
  • Natural interfaces

まだ、Horizon Worldの全容を把握するのは難しいですが、主要なところを以下、まとめましたので御覧ください。

Horizon Worldの計画

Connect 21でザッカーバーグが説明するMetaの計画の要点だけをまとめると、下図のようになる。

このうち、現時点ではベータ版としてリリースされたHomeとWork rooms、そして関連するアプリがあるだけで、本当のメタバース像が実現化されるには最低でも2-3年かかるのではないでしょうか。Microsoftが「ビジネス用途」中心で開発が行われているのに対して、Metaでは、「人とのつながり」を中心にして、その中にビジネスを取り込んでいくというやり方になっています。いずれにしても究極的には、ビジネス、娯楽、スポーツ、投資、金融、などすべての分野に拡大していわけですが、メタバース企業のどこが勝者になるかは、現時点ではわからないでしょう。SNSの世界ではフェースブックが主導権を握ったのですが、今回は技術的要素(仮想空間の没入度合いと使いやすさの技術)が普及のキーポイントとなることは明らかで、各社の開発のスピード競争になるのではないでしょうか。

Horizon Home

Horizon Homeは、メタバースにおける初期のホーム画面。友達を呼んで遊んだり、一緒に動画を鑑賞したり、仲間と一緒にゲームに参加したりできるソーシャルスペースとして機能するところ。また、この場所を「自室」のように構築・カスタマイズできるようになるとこことである。

Quest for Business

ビジネス向けに設計された機能をもったアプリで、ビジネス専用のログインアカウント「ワークアカウント」で、同僚とコラボレーションしたり、Horizon Workroomsなどのアプリを利用できます。

また、アカウント管理な、モバイルデバイス連携と管理など、企業のビジネス活動に必要な機能を装備する予定とのこと。2022年から2023年にかけて開発整備される予定。

Horizon Work rooms

メタバースで共同で仕事をすることを目的としたAPPプラットフォーム。これは、現在ではウェブ会議システムが一番つかわれているのだが、それを3DVRバージョンにして、よりリアルにかつ会議だけでなく多くの協働作業ができるように発展させるものとなる。

ウェブ会議と何が違うのか?という単純な疑問について説明すると、現在のウェブ会議のメリットデメリットは次のようになるが、このデメリットの中で「表情や、雰囲気が読めない」「大人数の問題」という部分を根本的になくすことになる。たとえば隣の人との距離に応じて、音の大きさが自動調節されたり、アイコンタクトができたりと、目指すところはよりリアルなものなので、現在のウェブ会議システムとはかなり異なった状況になる。

現在のウェブ会議は、まだまだ実用には程遠い

マルチタスク

メタバースがリアルとバーチャルの両者を統合化した世界を目指していると、説明しましたが、そのさきがけの試みとして、Metaでは、Horizon worldから簡単に、既存のSlack、Dropbox、Facebook、Instagramなどにアクセス交流できるように、マルチタスク可能な形に設計がするめられているとのことです。メタバースの世界にいながら、必要に応じて外の世界(リアルの世界)で何が起こっているのかを確認したり、ゲームの合間に仕事のリストをチェックしたりすることができるようになるとのことです。今後は、ヘッドセットを取り外すことなく、しかもHomeから出ることなく、同僚とのチャットやファイルへのアクセス、ソーシャルフィードの更新など、より多くのことができるようになります。具体的にはAR/MRになるのかもしれませんが、方向性は両者の世界の障壁がなくなりシームレスな世界になるということでしょう。

ACTIVE PACK(フィットネス)

フィットネスは、現在の2Dでのオンラインサービスも拡大していますが、MetaはHorizon Worldのなかでバーチャル空間でのフィットネスができるように設計されたアプリ、ACTIVE PACKを予定しているとのことです。

VR空間の中で、最高のトレーニング機材として活用できるように、このActive Packには、汗をかいても滑りにくいTouchコントローラーグリップや、エクササイズ用接顔パーツなども含んでいるとのこと。

エクササイズ用のアプリはすでに多くできていますが、今後その種類も増え続けていくと、予想されます。

Presence Platform

開発者のためのさまざまなSDKをそなえたプラットフォームを準備。開発者が没入感の高い複合現実体験を構築できるようにするため、各種新機能を追加するとのこと。

VR操作方法の進化(Interaction SDK)

VRの操作方法も今後進化していく必要があります。当初5年前にはXboxのコントローラーを採用したものが、Touchコントローラーで「手」を利用できるようになりました。その後ジェスチャーコントロールを追加し、VRでの手の利用を「実用レベル」近づいてきています。

次世代オールインワンVRハードウェア「Project Cambria」

Project Cambriaは、ソーシャルプレゼンスの向上、カラーパススルー、パンケーキレンズなど、最新の高度な技術をすべて搭載する、高価格帯のハイエンドデバイスになる予定です。

VRグラスも将来は、サングラスのレベルになるかもしれない(開発中のもの)

AVATRAの進化

現在でもVRミーティングはビデオ通話と比べて大きく進歩していますが、将来的には対面での会議とほとんど区別できないレベルにしたいと考えている。いうまでもなく、現在のお人形イラストではなく、映画のAVATARのように、実物と見分けがつかないくらいリアルにできることが目標となっている。

Deep Fakeでは既に実現されて社会問題になりつつあるが、顔についてはほぼ目処が立っているのかもしれない。
衣服もシワの具合まで、リアルに表現できるようになる。

教育用途への投資

VRが学習方法にも大きな変革をもたらす強力なツールになるので、教育分野への投資も計画実行されている。Metaは、1億5,000万ドルの基金を設立し、今後3年間でメタバースでの学習をサポートするエコシステムを構築するとのこと。この目的は、次世代のAR/VRクリエイターを育成し、質の高い没入体験で学びを変革し、教育分野へのアクセスを向上させる。また、多くの団体や機関と提携して、没入感型の共同型学習体験のビジョンを実現するための支援を行っている。提携先には、VictoryXRやBYJU’S FutureSchoolなどの企業、Generation、Urban Arts Partnership、Peace Literacy Instituteなどの非営利団体、歴史的に黒人の多い大学などの教育機関が含まれているとのこと。

まとめ

ざっとウェブ情報で調べられるものを集めてみたが、これを見ただけでもMetaが目指すところは、非常に大きなところであり、今後10年-20年かけて開発していく分野であることがわかります。