3 Mesh for MS Teams

Microsoft Meshとは

ザッカーバーグがHorizon Worldという名前で、メタバースを展開しているのに対して、マイクロソフトはMeshという名前でメタバースを展開しています。

フェイスブックがメタに社名変更したのは2021年10月28日。そのわずか5日後となる11月2日、マイクロソフトは同社のオンラインコラボツール「Microsoft Teams」をメタバース仕様に進化させる計画を発表。 明らかに両者が、競って主導権を取りに行こうとしています。マイクロソフトは、先にも述べたように、AR, MR(Mixed Reality)をHololensの開発によって、ビジネスを最初のターゲットとして展開してきており、既にアメリカの企業の半分近くが、なんらかの形でHololensを使っていると言っています。日本企業向けに、引き合いに出されるのが、トヨタで、本チャプターのイントロダクションとして、次のビデオを御覧ください。

以下、2021年11月2日に発表されたマイクロソフトのウェブサイトをわかりやすく要約してみます。

原文は、こちら

Mesh for Microsoft Teams aims to make collaboration in the ‘metaverse’ personal and fun - Source
Mesh for Teams is designed to make online meetings more personal, engaging and fun.

要点は、

パンデミックから学んだこと

パンデミックから 1 年半以上が経過し、マイクロソフトのエキスパートは、リモートワークについて、 2 つの傾向を見い出した。1つは、リモート ワーカーの生産性が高いこと、もう 1 つは、リモート ワーカーたちは人間的交流の不足が問題であること。

現在のオンラインリモート会議では、この人間の交流の欠如がモーティベーションや本来のコミュニケーション、キャリアアップなどにネガティブな問題を引き起こしていることが判明した。

マイクロソフトは、この問題に対する解決策として、Mesh for Microsoft Teams (英語)を導入した。Mesh for Microsoft Teams は、Mixed Reality (複合現実) 機能と、仮想会議への参加やチャット送信、共有ドキュメント上でのコラボレーションなどを可能にする Teams の生産性ツールを融合したソリューションです。

Mesh for Microsoft Teams は、「メタバース」と呼ばれる、人、場所、モノのデジタル ツインが配置されたデジタル世界への入り口で、スマートフォン、ノート PC、Mixed Reality ヘッドセットからアクセスでき、オンライン会議の問題を解決するよう開発されています。

メタバースは、新たなバージョンのインターネットあるいは新たなビジョンに基づくインターネットと考えることができます。そこでは 1 人ひとりがどのデバイスからでも仮想的存在となって集まり、コミュニケーション、コラボレーション、共有を行うことができます。

このメタバース空間に自身のアバターを参加させることで、ユーザーどうしで交流でき、プロジェクトを共同で進めることができると同時に、現在のウェブ会議ではできなかった思いがけない出会いから、アイデアや、イノベーションが生まれることも可能となります。

Mesh for Microsoft Teams ユーザーは、自身のアバターでイマーシブ空間に参加することで、革新を引き起こすような偶然の思いがけない出会いや発見を体験します。

12年前から取り組んでいる

マイクロソフトでは、12年前からるチームは、 Accenture (60 万人の従業員)と協力して、Mesh を活用したイマーシブ空間の構築に取り組んでいます。

パンデミック前から、Accenture では、仮想キャンパスを構築済で、グローバルに、交流会、プレゼンテーション、パーティなどのイベントに使用しています。

「この仮想現実の中でしかできない架空のような不思議なキャンパスを私たちは “Nth Floor” と呼ぶようになり、最も人気があるポイントは、世界中の同僚とばったり出くわし、深く有意義な会話ができることです。イベントが終わるたびに、新しいアイデアが いくつもでてくるのです。

パンデミック後すぐに、Accenture では毎年 10万人以上の新入社員を迎えるときの研修に応用を開始しました。このOne Accenture Parkで、既に 数万人の新入社員が研修を受けています。

Mesh for Microsoft Teams は、この画像にある仮想ロビーのようなイマーシブ空間をユーザーに提供します。

人間交流のレベルの深さ(没入体験度:Immersive experience)

Microsoft Teams のチームのチャネルにイマーシブ空間を配置することは、結束力の強化と目標の共有に効果があると言います。たとえばマイクロソフトのプロダクトデザインチームの場合、毎日のスタンドアップ ミーティング用にイマーシブ空間を構築して、バーチャルの壁の一面には初心を忘れないために顧客の写真を貼り、別の壁にはホワイトボードを掛けて色分けしたタスクを貼り、テーブルには製品のプロトタイプを表示することが可能です。

アバター同士が Mesh for Microsoft Teams のイマーシブ空間に集まりコラボレーションができます。
アバター同士が Mesh for Microsoft Teams のイマーシブ空間に集まりコラボレーションができます。

「この空間に集まることで、同じ目標に向かって着実に歩みを進めている感覚を共有できます。この感覚は、決められた場所に物を配置できない、格子状に区切られたオンライン会議では得られません。イマーシブ空間は、チームの目標を何度も思い起こさせてくれます。このテクノロジが新たに飛躍するとすれば、それはこのような使い方から生まれると思います」

2022 年前半の提供開始を予定している Mesh for Microsoft Teams のプレビュー版では、さまざまなオプションを使って Teams 会議を作成し、パーソナライズされた固有のアバターで参加できるようになります。その他の参加者も、自分を表すアバターを使うこともできますし、自分自身がビデオに映ったり、静止画像やイニシャル入りのアイコンを使ったりすることもできます。

ナレッジワーカーの時代

マイクロソフトの目標は、(職場を)ユーザー 1 人、デバイス 1 台という単独型の体験から、コラボレーションに最適な環境に変えることで、 Mesh 開発により、組織におけるメタバースの構築が可能になり、これはコラボレーションのための永続的な仮想世界であり、人、場所、モノのデジタル ツインを通して物理世界と仮想世界がつながる場所です。

「現在ビジネスの世界は、現場で働く現場作業員向けのツールから、ナレッジワーカー向けの支援ツールに移行する段階に入っています。ナレッジワーカーとはデスクワークを主とする私や皆さんのような人々ですが、その仕事内容はまさにコラボレーションであります。

このマイクロソフトの核となるコラボレーション ツールがメタバースの入り口として機能する未来を描いています。

Microsoft Mesh

ポータルサイトはこちらになります。

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最近のメディア報道抜粋

Microsoftは、同社が11月2日(現地時間、日本時間11月3日未明)より開催する予定の「Microsoft Ignite 2021」に先だって報道発表を行ない、同社が3月に行なった同名のイベント「Ignite 2021」で発表したMRプラットホーム「Microsoft Mesh」(マイクロソフト・メッシュ)のTeams対応版となる「Mesh for Teams」(メッシュ・フォー・チームズ)を来年(2022年)に提供開始する計画を明らかにした。

 Microsoft Meshは、HololensなどのMRデバイスなどを利用してアクセスできる仮想空間で、遠隔地にいるユーザーが仮想空間でコラボレーションしたりするための基盤(プラットホーム)となっている。Mesh for TeamsはそのMicrosoft Meshの機能をTeamsに拡張するもので、Teamsのオンライン会議を2D/3Dアバターで参加することが可能になり、さらにはより没入感のある3Dオンラインミーティングなどの開催が可能になる。

 また、MicrosoftはMicrosoft Officeの新しいアプリケーションとして「Microsoft Loop」を発表した。一般法人向けMicrosoft 365を利用している企業など向けに提供され、従業員同士が共同作業を行ないながら文章の作成を行なうことが可能になる。

マイクロソフトウェブサイト

Microsoft Mesh の概要 - Microsoft Mesh
Mesh のさまざまなエクスペリエンスと、それぞれを使用するさまざまな理由について説明する、Microsoft Mesh の概要に関する記事。

まとめ

マイクロソフトはビジネスワーカー(企業)をメインターゲットとしてメタバースを開発してきている。Metaとのスタンスの違いは明確だけれど、両者ともがその分野での成功のポイントはImmersive(変な日本語だけど、没入感)であり、ツールや技工ではなく、人間の体験中心であるかどうかということだ。次のビデオが非常に明確にそれを語っている。


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