IOTは昨今のデジタル分野で、一番実用化が進んでいると思われます。
IOTの基礎(Platformについて)
IOTビジネスは、現在ではほとんどのIT企業が市場参入しており、事例は多すぎるのでここでは、Platformに特化したSoracomの特徴を簡潔に述べたいと思います。ここでは、その中でも、プラットフォーム化とともに、総合的にビジネスモデルを形成していることについて、今一度、概要を説明します。(Soracomと特別に関係があるわけではありません)
SORACOM概要
IoT向けの無線通信をグローバルに提供するプラットフォーム(ソラコムHPより抜粋)
ソラコムは、アマゾンウェブサービス(AWS)のエバンジェリストだった玉川憲氏らが2014年に創業、2017年8月KDDIが買収し、KDDIグループになる。
IOTは上記の「Things」と「通信回線network」と「Cloud」の組み合わされた産物であるけれど、それぞれの要素が多種多様で組み合わせの数は無限にある。すべてをやることは企業にとって、効率も悪いし、利益率も悪くなることは明らかなので、ほとんどの企業は自分の得意分野を決めて専業化し、他の部分は協業parterと組んでビジネスモデルを構成する。
グローバル
特に、ユニークであることは、早くから海外とのコネクションにeSIMを使いローコストで国境を意識しないでグローバルネットワークを廉価で構築できる仕組みを作っていること。グローバルに活動する企業には有益なサービス。(KDDIグループの特徴)
Partnership
また、Soracomは非常に多くの会社とPartnershipを組んでおり、初期より「民主化」の宣言しており、よい協力関係を結んでいるので、デバイスエリアからネットワークまで、基本的に何でもできるような体制になっている。
コンサルティング
顧客とPartnerにコンサルティングサービスをしながら自社のサービス拡大を図れるように技術力のある社員を多く抱えている。聞いたところによると、エンジニアがほとんどで、一般の会社のような営業をやっている人数は非常に少ないとのこと。
IOTストア
説明つきのIOTストアでは、多くの汎用事例に合わせたコンポーネントをネットで購入できるようにしてあり、POCなども手軽にできるようになっている。
IOTの民主化をスローガンに、急拡大しているSORACOMは、IOTをやろうとするときに、最初にチェックする企業だと思います。
コモディティ化したIOT
IOTは既にデバイスもネットワークもコモディティ化しているので、差別化をして市場の競争に打ち勝つには、IOT以外の特徴を出さないと生き残れない状態になっています。例として(株)アステリアのGravioシリーズの例を紹介します。
以下、Gravioのサイトより抜粋します。
引用:「Gravioは、汎用的なカメラや各種センサーなど、様々な入力デバイスとの連携を容易に実現できる、エッジコンピューティング型のIoT統合ソフトウェアです。直感的な画面設計によってノーコードで操作ができ、さらにAI画像推論を活用した人物検知にも利用できます。各種認証済センサーの無償貸出プログラムもご用意し、導入の際の複雑性も解消。シンプルかつ迅速なIoTの利活用を実現します。」
新規事業と言ったときに、既にコモディティ化してしまった領域では、競争に参画できないかというと、そうではありません。顧客の問題点を的確に把握し、それにぴったりと合ったソリューションを見つけることは、誰でもが簡単に出来ることではありません。IOTコンポーネントには差別がなくなってきても顧客の抱えている問題は固有で唯一であるケースがほとんどでしょう。DXというのは、基本的にそこを狙っていくビジネスになるわけです。昔ながらのデジタル化ビジネスとは、本質的に異なるものになるわけです。
Platformerを利用してビジネスソリューション
現在はまだ、大企業がIOTを導入している段階ですが、そのうち中小企業に拡大していくと考えられます。ソフトバンクも中小企業を取り込む方向でIOT事業を進めていると思われますが、中小企業は全国で見ると極めて数が多くなります。また、国策のデジタル化で、地方自治体のデジタル化、IOT利用も今後大きく拡大するわけで、そのビジネスチャンスは無限とも思われます。そう考えるとソラコムはプラットフォームに特化して、ソリューション事業はその他の会社がやることになるわけです。ソリューション事業者がビジネスを成功させるには、お客とのコネクションと営業力(特にソリューション開発力)が重要なファクターになると考えます。なぜなら、顧客の抱える問題は、多くの場合、相見積を簡単にいくつもとれるような代物ではないので、ある程度信頼関係がベースにあり、前述の営業力がないと契約にはなりにくいでしょう。前述の、SORACOMの戦略は明確で、花をPartnerに持たせ、自分たちはPlatformerになになり寡占化すること。Gravioの戦略は、Platformやデバイスよりは、ソリューションに特徴をもたせることになるわけです。
DXというのは、このソリューションに加えて、もう一つ、付加価値であるアイデアを出す必要があるので、そこが難しい所です。IOTの技術は、この段階では中心問題ではない、つまりビジネスの決め手ではなく、単なる道具になるわけです。タイトルをDX Componetsとしたのは、メインではないけれど、まずは、最低限のこれらの知見がないとDXソリューションはできないということです。
Thank you so much for reading
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